禅石庭プロジェクト
THE BRIEF
鎌倉の山懐に抱かれたこの禅石庭は、長年、住職様と檀家の皆様によって手入れされてきた枯山水の庭でした。白砂と石組みが織りなす静けさに、参拝者が歩む小径だけが不釣り合いなアスファルトで整備されていることに、住職様は違和感を抱いておられました。
私たちに求められたのは、石庭の「間」を損なうことなく、訪れる人の足元にも同じ静寂を宿す道でした。何度も庭に座り、砂紋の流れと石の配置を見つめながら、道の幅、曲がり方、そして粘土の色合いを検討していきました。
MATERIALS & MOOD
道の一部は鯉の泳ぐ池のほとりを通るため、水面の揺らぎと呼応するような、やや灰みを帯びた粘土を選びました。雨の日には濡れて色を深め、晴れた日には白砂と柔らかく調和する、そんな色調を目指しています。
施工中は庭の修行時間を妨げぬよう、早朝と夕刻のわずかな時間に作業を重ねました。完成した道は石庭の一部として静かに溶け込み、参拝者の歩みに新たな間合いをもたらしています。
「石庭の静寂を損なわず、むしろ深めてくれる道になりました。参拝の方々の足取りが、ここへ来ると自然と緩やかになるのです。」
— 住職 / Head Priest, Kamakura